無機材料工学科で何を勉強するの?

高校までの理科には,あまり材料という観点からの説明がないので,材料と言われても,ピンと来ない人が多いのではないかと思います.そういう人のために,材料科学を勉強する意義を理解するための2つの見方を紹介します.

より具体的な勉強の中身を知りたい人は,無機材料工学科カリキュラムのページをご覧ください.

(1)材料・情報・エネルギー(工学空間の3要素)

図:工学空間の3要素

何か,身の回りの工業製品を一つ手に取って見てください.携帯電話でも,時計でも,何でも良いです.すると,その製品には,必ず,何らかの材料が使われ,機能を制御するための情報が格納され,そして,能動的な動作を起こさせるために何らかのエネルギーが投入されているはずです.このように,工学の世界は,『材料』,『情報』,『エネルギー』の3要素に分けることができます.情報化社会や,エネルギー問題など,情報やエネルギーと言う単語はよく耳にしますが,それらと同じくらい基本的で重要な要素が,実は『材料』なのです.その『材料』を総合的に理解する学問が『材料科学』あるいは『材料工学』というものなのです.

(2)材料科学は理学と工学をつなぐもの

図:材料科学は理学と工学をつなぐもの

無機材料工学科は工学部に所属しているので,材料に関する学問も工学の一部ということになりますが,他の工学分野(例えば,機械工学・電気工学・建設工学)とは,少し,性格が異なります.それは,他の工学分野が組み立て産業(自動車とか,家電製品とか,家屋など)を成立させるための知識体系を与えているのに対し,材料科学は,理学と工学をつなぐ役割を果たしているということです.例えば,材料科学の研究者には,物性物理学や基礎化学(すなわち,理学)の研究をして材料の性質の本質を見極めようとしている人もいれば,半導体デバイスの新しい動作原理の発明や宇宙ロケットの耐熱材料の開発など,製品にかなり近い領域(すなわち,工学)で研究している人もいます.このように,材料に関する研究は理学から工学まで広い範囲に渡ります.皆さんも興味を持てる研究テーマがきっと見つかるはずですよ.