世界をリードする東工大の無機材料

(1)高機能性多孔質セラミックス(レンコン様セラミックス)
(2)フラクトエミッションに関する研究
(3)スペースシャトルなどに使われているC/Cコンポジットの研究
(4)光をとじこめる
(5)非破壊検査理論の開発
(6)UV触媒活性を示すアナターゼの膜
(7)よくぬれるガラス
(8)有害物を分解するセラミックス
(9)マイクロメートルサイズの超微小レンズ

(1)高機能性多孔質セラミックス(レンコン様セラミックス)

孔の開いたセラミックス,多孔質セラミックスはフィルターや吸湿・保水材料などとして環境浄化や環境改善の分野で重要な役割を果たしています.私達の研究室では,レンコンのように孔が一方向にそろったセラミックスを作製できる技術を開発しました.このセラミックスは,強度が強く気体や液体を通す能力が高いため,様々な応用が期待されています.

高機能性多孔質セラミックス(レンコン様セラミックス

(2)フラクトエミッションに関する研究

セラミックスの破壊に伴う微少量の粒子放出現象をフラクトエミッションと呼びます.この研究により原子レベルで破壊現象が解明され,より高度な信頼性設計やマイクロクラック発生の検出技術などへの応用が期待されます.

フラクトエミッションに関する研究

(3)スペースシャトルなどに使われているC/Cコンポジットの研究

大気圏突入時の2000℃にも達する高温にも耐え、軽くて強靭なC/Cコンポジットを理論的に材料設計します. カーボンファイバーと樹脂を使ってC/Cコンポジットを作ります.資源の有効利用の観点から石油精製の残渣も一部使っています. スペースシャトルの次世代後継機の開発や,火星への有人探査計画など,セラミックの複合材料への期待は更に膨らんでいます.

スペースシャトルなどに使われているC/Cコンポジットの研究

(4)光をとじこめる

レーザー,光ファイバーは「光共振器構造に光を閉じ込める」ことによって優れた特性を実現している.最も優れた閉じ込め効率を有する球状光共振器を対象として,どのような材料や作製方法が適しているのか,どのようにして光の出入りを行うのか等の極限をめざす研究をしている.

光をとじこめる

(5)非破壊検査理論の開発

Si3N4,SiC,ZrO2などの構造用セラミックスは,高温強度,耐熱性,耐摩耗性,硬度,軽量性に優れており,宇宙航空機用耐熱材料,自動車エンジン部品,排ガス処理用ハニカムなどに使用されています. 構造用セラミックスを使用するには,強度信頼性設計と非破壊検査が不可欠ですが,いままで基礎理論が有りませんでした.私達は破壊力学と破壊統計論の結合により,その基礎理論の開発に初めて成功し,表面強化理論や、地震工学への応用も視野に入れて研究を続けています.

非破壊検査理論の開発

(6)UV触媒活性を示すアナターゼの膜

セラミックスは高温に強く,化学的にも安定である反面,実際に使用できる結晶やその集合体を作るには,1000℃以上の高温が必要です.研究用の圧力釜中では,水溶液中での反応により,百数十℃でも結晶膜を作れます.

UV触媒活性を示すアナターゼの膜

(7)よくぬれるガラス

酸化チタン光触媒は紫外線が当たると,水に非常になじみやすい表面(超親水表面)に変化します.この表面では水が丸い水滴ではなく濡れ広がるため,水滴のつかないドアミラーや曇らない鏡を作ることができます.

よくぬれるガラス

(8)有害物を分解するセラミックス

酸化チタン光触媒は紫外線が当たると,活性酸素を出します.この活性酸素は大変強い酸化力があり,地球上のほとんどの有機物を分解できるため,環境汚染物質の浄化材料として応用する研究が進められています.

有害物を分解するセラミックス

(9)マイクロメートルサイズの超微小レンズ

微小なものを光を使ってみるためのレンズの中に,光の波長よりも小さい大きさの ものを見ることができる固浸レンズ(Solid Immersion Lens)と呼ばれるものが あります.近接場光を利用するもので球の一部を平面で切った形(超半球形)を しています.融けたガラスの性質を利用することで要求されるものとぴったり一致 する形状を得ることが可能なプロセスを開発しました.得られたレンズは理論値通り の解像度を実現します.

マイクロメートルサイズの超微小レンズ